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利益と現金が一致しない理由

P/Lだけでは資金繰りの原因は見えない

毎月の試算表では利益が出ているのに、月末になると支払いに不安が出る。これは多くの中小企業で起こる問題です。原因のひとつは、損益計算書の利益と手元現金が同じではないことです。売上が計上されても、入金が数ヶ月先であれば、現金はまだ増えていません。

一方で、仕入代金、人件費、経費、借入返済は予定通り出ていきます。売上と入金、費用と支払いのタイミングがずれることで、利益が出ているのに現金が足りない状態が生まれます。

資金はB/Sの中で形を変えている

利益として生まれたはずの資金は、消えてしまったわけではありません。売掛金、在庫、固定資産といった形で貸借対照表に残っていることがあります。これらは会社にとって資産ですが、すぐに支払いに使える現金ではありません。

資金繰り改善を考えるときは、P/Lの売上や利益だけでなく、B/Sのどこに現金が滞留しているかを見る必要があります。

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B/Sで確認すべき4つの項目

実態B/Sで確認すべき4つのポイント
B/S項目確認すること資金繰りへの影響主な対策
売掛金入金期日を過ぎた滞留債権がないか売上はあるのに現金化されていない回収ルールの徹底、回収見込みの確認
棚卸資産(在庫)長期間動いていない在庫がないか現金が倉庫に寝ている状態になる在庫水準の見直し、過剰在庫の処分
固定資産稼働していない設備や資産がないか利益を生まない資産に資金が固定される売却や活用方法の再検討
借入金返済額が事業で生む現金を超えていないか黒字でも現金が減り続ける返済計画や条件変更の検討

本文のB/S確認項目を、Codex側で実務チェック表として整理しています。

黒字でも資金が苦しい会社ほどB/Sを見る

「勘定合って銭足らず」という状態では、P/Lだけを見ても解決策が見つかりにくいものです。資金繰りを改善するには、現金がどこで止まっているのかをB/Sから確認する必要があります。

売掛金が増えているなら回収条件、在庫が膨らんでいるなら仕入や販売計画、固定資産が重いなら投資の効果、借入返済が重いなら返済計画を見直します。B/Sは、会社の資金の置き場所を示す資料です。

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売掛金と在庫に眠る現金を見る

売掛金は回収できて初めて現金になる

売掛金は、まだ入金されていない売上です。売上が伸びていても、回収が遅れれば資金繰りは苦しくなります。入金期日を過ぎた債権がないか、取引先別に確認する必要があります。

未回収の売掛金は、会社の資金が外部に出たまま戻っていない状態です。回収ルールを曖昧にせず、請求、入金確認、督促の流れを定着させることが重要です。

在庫は現金が姿を変えたもの

在庫も現金が形を変えたものです。顧客対応や仕入単価の都合で在庫を多く持つことはありますが、長期間動いていない在庫が増えると、現金が倉庫に寝ている状態になります。

売れていない在庫をそのまま資産として見ていると、実態よりも会社が良く見えてしまいます。適正在庫を確認し、過剰在庫や不良在庫を処分する判断も必要です。

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固定資産と借入返済が資金繰りに与える影響

過去の投資が現在の資金繰りを圧迫することがある

設備や不動産などの固定資産は、会社の事業に必要なものです。ただし、現在の利益創出に貢献していない資産が残っている場合、それは資金繰りを圧迫する要因になります。稼働していない設備や活用されていない資産がないか確認してください。

固定資産はすぐに現金化できるとは限りませんが、会社の資金がどこに固定されているかを把握することは重要です。

借入金の元本返済はP/Lに出にくい

資金繰りを見るうえで見落としやすいのが、借入金の元本返済です。支払利息は費用としてP/Lに出ますが、元本返済は損益計算書には出てきません。そのため、利益が出ていても、返済額が大きければ現金は減っていきます。

事業が生み出す現金よりも返済額が大きい状態が続くなら、返済計画の見直しを検討する必要があります。黒字なのに資金繰りが苦しいと感じるときは、P/Lだけでなく、B/Sと資金繰り表をあわせて確認してください。

資金繰り改善の第一歩は、利益と現金を分けて考えることです。売掛金、在庫、固定資産、借入返済を確認し、どこで現金が滞留しているのかを整理してください。B/Sを直視することが、キャッシュフローを生み出す経営への入口になります。